老眼コンタクト(遠近両用コンタクト)
2020/01/29
3〜4年前から、老眼コンタクトを使い始めた、僕はそう呼んでるが、正確には『遠近両用コンタクト』。でもこれが全然“両用”じゃない。だから老眼コンタクトと勝手に呼んでいる。しかし、この呼び方も実は的確ではない。なぜなら、老眼に特化しているわけでもないからだ。
正確に言えば、老眼に特化させることもできる。老眼の方の度数を上げれば手元は見やすくなる。ただし、老眼鏡と一緒で、遠くが見えない。また、遠くを見ると“酔う”。気持ち悪くなる。強い老眼鏡を掛けたまま遠くを見るときと一緒の症状だ。これでは“両用”の意味がない。また、メガネのように簡単に着けたり外したりできないので、不便きわまりない。そこで、そこそこの老眼度数に抑え、遠くもそこそこ見える度数にするのが、この種のコンタクトの常なのだが、これが不便なのである。
そもそも遠近両用コンタクトの仕組みは、一つのレンズの中に、遠くを見る部分と近くを見る部分を作ることで、両方を見やすくしようというものだが、これには二つのやり方がある、のだそうだ。
一つは、レンズの真ん中あたりを近視用のレンズにし、外側部分を老眼のレンズにしたり、その逆にしたりして、近視用の度数部分と老眼用の度数の部分を完全に分けているもの(交代視型)。もう一つは、コンタクトレンズ中央から周辺に向かって遠用度数・中間部・近用度数が分布したタイプ(同時視型)。
どちらにも言い分があるようだ。
前者は、近くを見るときに、首を傾げて見ないで眼球だけを使い下目遣いで見るか、逆に上目遣いにして見ることで、両方に対応しているわけであるが、
その時にレンズが眼球上で少しずれるため、レンズの内側か外側のどちらかで見ることができるようになっているというもの。ハードレンズに多いが、この利点は、眼球状でズレるのを利用するため、遠近を度の違うレンズで見ることになり(遠近両用メガネと同じ理屈)、遠くと近くがはっきり見える。欠点は、中間のゾーンが見えにくくなることがあるのと、距離に応じて視線(上目遣いとか下目遣いとか)を使い分けなければならないところ。
後者は、マルチフォーカルとも呼ばれ、レンズのズレを使うのではなく、脳に判断を任せるのだそうだ。真ん中の老眼用の度数と、周りの近視用の度数の両方で見て、網膜に焦点が合った方を脳が選ぶというものだ。利点は、視線の移動などを意識しないで使用できるところ。欠点は、度数差が大きくなるにつれて、脳が処理できず見えづらくなる傾向があり、「遠く」か「近く」のどちらかが優先されてしまう点だそうだ。
今僕が使っているのは、マルチフォーカルの方。最初は、前者の方式のコンタクトを使っていたが、ハードレンズではなくソフトレンズだっため、視線の移動がうまくいかないのか、老眼に対してはまったく効かないような気がした。そこで、昨年から変えてみたのだ。
調子は、良いような悪いようなだ。しかし、よっぽど近づかないと見えないような小さな文字では難しいものの、概ね良好だ。真夏に汗ダラダラで運動をする時や、プールや海などで水に入る時などは重宝している(メガネでゴーグルはできないので)。
だが、これとて完璧ではない。まず丸一日つけていると、本当に疲れる。また、時によっては、少しだが“酔う”感じになるような気がする。そして決定的なのは、お酒を飲んでいると“遠”も“近”も見えにくくなるということ。
僕の勝手な解釈だが、このレンズは“脳が判断する”ということだから、おそらくアルコールで脳の判断が鈍くなるのではないだろうか。いずれにせよ、メガネはやっぱり手放せない。
こんなに苦労するとは。老眼の苦労など想像も付かない若い子の目がうらやましい。嫉妬するのである。
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