どじょっこふなっこ
2017/01/05
今の若い人はあまり知らないかもしれないが、
「どじょっこふなっこ」という童謡がある。
小学生の頃習った覚えがあるが、とりたてて普通の歌だと思っていた。
ところが昨晩、ウチの細君が、突然僕の両親にこう言った。
「秋田の童謡って何でしたっけ?」
僕も両親も「???」である。
「あの、ほら、ドジョウとフナが出てくる歌」と細君。
それにすぐさま反応したのが父。さすがもと小学校の先生である。
「『どじょっこふなっこ』だな」
「そうそう、あれって秋田の歌ですよね。絶対に秋田弁ですもん」
いやいや、それは違うでしょ。確かに歌詞は
「春になれば 氷(しが)こも とけて
どじょっこだの ふなっこだの 夜が明けたと思うべな」
とある。
でも、「〜っこ」とか「べな」は東北各地で使うもの…だと思う。秋田の歌とは言えないのでは?
そしてら父が、また別情報。
「あれは玉川大学の岡本って先生が作ったんだよ」
ほうほう、それなら益々秋田の歌とは言いがたいよな。
で、また、調べてみた。
軍配は、細君である。
最初にあたった歌詞には、作詞・東北地方民謡とあったので、「ほぉらみろ、秋田限定じゃないんだよ」と言ったのだが、wikiで調べてみると、
「池に住むドジョウやフナから見た春夏秋冬の様子を歌った秋田に伝わる民謡岡本敏明が混声合唱に作曲したものである」とある。
では、何故、玉川学園の岡本先生が、秋田の民謡に別の曲をつけたのか。
少し長いが引用する。
「岡本率いる玉川学園の一行が公演旅行をに出かけ、5月1日には学園出身者の縁故があり、金足西尋常高等小学校(現・秋田市立金足西小学校)に立ち寄った。その場で演奏会を行い、夜の歓迎会の席上で同校教諭の中道松之助がどじょっこふなっこの元歌を詩吟調で歌い、それを聞いた岡本敏明が詩をメモしながら即興で混声合唱に作曲、宴会が終わるまでに曲が出来上がり、混声三部合唱を披露したとされる」
参考 https://ja.wikipedia.org/wiki/どじょっこ_ふなっこ
ちなみに岡本敏明先生は、玉川学園の創立にも携わった偉大な音楽家。玉川大学生だった父は、きっと学生時代にその存在と、故郷・秋田とのつながりを知り、記憶に留めていたのだろう。まあ、元が秋田の歌だったってところは忘れていたようだが。
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