桂乃徒然

文筆業 佐々木桂 公式ウェブサイト

*

昔の納豆の作り方…だそうです

      2017/02/03

最近、納豆を手作りする人が増えている。基本的には、大豆を煮て、それに市販の納豆を少し混ぜ、コタツに放り込んでおけばできる。コタツがない人は、その大豆を、お湯の入ったペットボトルと一緒に発泡スチロールの箱に入れて、お湯がぬるくなったら替えながら発酵させるとできる。本格的にやるなら、納豆菌というのも売っているらしい。

いずれも買うより手間が掛かるのだが、現代人にとっては、その手間が趣味につながる喜びであって、昔のように、「簡単には買えないから作らなくては」というものではない。

んで、山奥過ぎて街に出ることも大変なところに住んでいた父に「簡単には買えないから作らなくては」の納豆作りを聞いた。

1、大豆を煮ます
2、藁のつすこに入れます。

これは秋田の古い人ならわかるだろうが、全国的には知らないと思うので説明する。

藁のつすこ、もしくはただ「つすこ」とも呼ぶが、ようするに、藁を何本か束にして、その両端を結んだもの。束にした藁をかき分けて、大豆を詰めるイメージである。

3、それを「こも」で包む

ここで「ん?」である。

「こも?」と僕
「ああ、“むしろ”を粗く編んだようなもんだ」と父

これで僕はわかったが、“むしろ”がわからない人は、畳を思い出してほしい。畳の表面の部分(畳表というのだが)だけのものが、“むしろ”のイメージだ。

3、それに温ったかい湯気をかける

またまた「ん?」である。
どうやって?

「鉄鍋に湯を沸かす」と父
「んで?」と僕
「湧いた湯の入った鉄鍋の上に、芝っこを渡して、芝は木の小枝のことだな」
「はい」
「その上に、“つすこ”を包んだ“こも”を置く」
「はい」
「そして、今でいうなら、電気コタツの電気の部分がないやつ、ようは、足と上の部分を、木で手作りした台を置く。その上から鉄鍋の湯気を逃がさないように布団を掛ける。
「なるほどぉ」と僕

てゆうか、これだけ書いてやっとわかることを、「温ったかい湯気をかける」では通じないぞ親父と思いながら…。

ちなみに、鉄鍋は湯が冷めにくいからいいのだそうだ。

4、あとは、湯を替えながら三日ぐらいでできる

とのこと。

暇な人はやってみて下さい。
大豆にまんべんなく藁の納豆菌を回すために、外側の“つすこ”からの菌だけでなく、大豆の中にも1、2本、藁を混ぜておくのもいいそうですよ。

 - 日々の徒然

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

日々の徒然
30年前のアメリカ紀行備忘録22

 気を取り直して喋っていると、友だちがやってきた。男一人(TONY)と女一人(ち …

日詩 9月21日〜30日(2018)

日詩のまとめです。 日詩(ツイッター詩) 9月21日〜30日

日々の徒然
30年前のアメリカ紀行備忘録6

 Sさんが好きだというアンティック屋さんがたんさんあるプレスコットという町を経て …

初めての南松本

 旅行ライターだった時期があるので、松本は何度も行ったことがある。しかし、この南 …

日々の徒然
30年前のアメリカ紀行備忘録7

 夕食は近くの『COFFEE SHOP』と銘打った店へ。コーヒーショップという名 …

熱々ご飯に冷カレー

いっとき、イチローが朝カレーを食べるとの情報があり、朝からカレーを食べさせる店が …

日々の徒然
30年前のアメリカ紀行備忘録19

8月19日  ベストウエスタンのフロントのおばちゃんに浴衣を着せて記念撮影。浴衣 …

根津甚八さんとの想い出

俳優の松方弘樹さんが1月21日に74歳で亡くなったというニュースが飛び交った。松 …

関東の出雲さん(秦野)

関東の出雲さんと呼ばれている神社が、神奈川県の秦野にあると聞いて、出掛けてみた。 …

日々の徒然
30年前のアメリカ紀行備忘録10

8月14日  この日、旅の2日目にピンチを迎えるとは、朝、目が覚めるまでわからな …