桂乃徒然

文筆業 佐々木桂 公式ウェブサイト

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大学受験共通一次試験失敗

      2017/04/27

 入試のシーズンである。この季節がくるたびに思い出すのが、受検の失敗。
 僕らの1年上の先輩たちから、初めて『共通一次試験』なるものが始まった。今でいうとセンター試験に近いのだろうか。とりあえず、国立大学を受験する人間は全員受けなければならない。その“共通一次”と自分の行きたい大学での二次試験の合計によって合否が決まるので、その試験である程度の点数を取っておかないと、自分の行きたい大学の試験がいくら良くても不合格となる可能性があった。
 ただし、共通一次試験は、それほど難しい問題は出ない。基礎をしっかり勉強していれば、できる奴ならほぼ満点。できなくてもそれなりの点数は取れるようになっていた。つまり引っかけ問題は少なかったのだ。
 科目は国語、数学、理科、社会、英語で、理科と社会は選択で2科目ずつとなる。つまり5教科7科目の試験だ。
 僕の選択は、理科が物理と地学、社会は世界史と倫理社会。物理と世界史には不安があったが、ほかはそんなに気にしていなかった。まあ、希望大学の二次試験を頑張れば合格する範疇だろうと思っていた。
 そして“共通一次”の当日、知らない場所で実施されることの緊張はあったものの、試験問題そのものは簡単だったため、それを見てリラックスできた。しかも、数学は全問わかった。これならイケる。
 しかし、これがネックとなるとは、試験終了間際まで想像もできなかったのだ。
 楽勝だったため、時間前に答案を書き終えていた僕は、ほとんど見直しもせず、時間を持てあましていた。そして終了の合図。後ろから答案用紙が集められる中、ふと自分の答案用紙に目をやると、何か解答欄の配置が不自然に映る。で、よくよく見てみた。んーーーーー、である。
 なんと、解答欄を間違えて記入していたのだ。マークシートなので書き換えようと思ったのだが、時既に遅し。後ろから来た係員がそのまま持って行ってしまった。
 終わった。
 僕は呆然としたまま席を立ち、トイレに駆け込み嘔吐した。できなかったのならまだいい。しかし、ただのケアレスミスなのである。そのまま公衆電話のところへ行き親父に電話した。何を話したかは覚えていない。ただ謝ったことだけは覚えている。国立大学に行って欲しかった親父の期待を、僕はケアレスミスで裏切ってしまったと思い、頭がパニックになったのだ。
ただ、気を取り直して次の課目に取り組めたのだから、もしかしたら、親父に何か励ましの声を掛けてもらったのかもしれない。
 結局 、僕は国立大学に合格できなかった。それが“共通一次”のせいなのか、その大学の二次試験の結果が悪かったのか、僕にはわからない。解答欄を間違えた“共通一次”数学は、答え合わせをしたみたら満点だった。むしろ「残念ながら満点だ」という気分だった。これが0点になったのか、それとも解答欄が合っていた設問部分は点数をくれたのか、いずれにせよ国立大学には行けなかった。僕の人生の分岐点となったことはまちがいない。そして僕は、学校の先生になって欲しかった父の夢から遠ざかり、今に至るのである。

 - 日々の徒然

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